テーブルアーチストのワンポイントレッスン ~イベント・歳時で食卓を演出!~

2012.10.20

連載 ワンポイントレッスン

ようやく朝夕も涼しくなり、秋も深まってまいりました。
"食欲の秋" - 1年の中でも、秋は食材が特別おいしい季節です。食べ物だけではなく、旬の食材からおいしい飲み物もたくさん作られます。ブドウも収穫を終え、今年も美味しいワインが造られることでしょう。


今月のテーマは「ブドウの収穫」。ワイン、ブドウ・・・というキーワードから連想して考えていきましょう。


センターピースはお花・・・ではなく、ガラスのコンポートに収穫したばかりのブドウをどっさり。ガラスにすることで、クロスに影が映りこみ、キラキラと輝きます。
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食器の中央にもさりげなくブドウが。
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メニューカードには、ワインボトルをデザイン。
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さて、今月のワンポイントは「ナプキンで楽しむ」!テーブルリネンは、赤ワイン色で揃えます。ブドウの葉を好物とするエスカルゴは、ワインととてもよく合う食材のひとつ。今日はナプキンをエスカルゴ形に折り、華やかに飾りましょう。


①きれいにアイロンをかけたナプキンを広げ、端からひだ(写真は1/8幅)に折ります。
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②端から、長さ2/3ぐらいまで丸める。
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③2と反対側の端を上に広げ、ひだを整えたら完成です。ワンポイントに、ブドウ形のレースをひとつ付けてはいかがでしょうか。
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同じくブドウの葉形の燈台にキャンドルを燈したら、
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ワインで乾杯!お気に入りのワインを見つけ、夜長に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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ジャパンテーブルアーチストアカデミー卒業 認定講師
テーブルアーチスト
食環境トータルプロデューサー
   西堀 怜子

豊かな食空間のために~空間のことあれこれ興味津々!

2012.10.14

連載 食空間

今回は、スペイン南部のアンダルシア地方です。

この地方は8世紀から15世紀にかけてイスラムの王朝に支配され、イスラム文化が色濃く残る場所です。
                              

イスラム教は、570年頃メッカに生まれたムハンマドが、神の啓示を受け布教活動を始めたものです。622年(イスラム歴元年)メディナに移住したムハンマドが築いた '預言者の家' は、住居であり、礼拝の場であると同時に、学校や病院でもあり、貧しい信者達の生活の場でした。後にムハンマドが葬られ参拝の場となり、この建物は、その後各地に作られたモスクの原型となりました。

ムスリムの成人男性は、金曜日の昼に集団礼拝を行います。大人数が集う大きなモスクでは、大空間を確保するために、無数の柱とアーチで構成される'多柱式プラン'という様式が特徴となります。                                        

アンダルシア ・コルドバにある世界遺産『メスキータ』は、'多柱式プラン'の代表的な建物で、赤レンガと白大理石の2層のアーチが無数に連なっています。 A001.JPG
林立する2層のアーチ
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ミフラープ:
(モスクの奥壁に作られ、メッカの方向を示し
礼拝の指標となる場所)


イスラム建築は、用途によって、宗教建築と世俗建築に大別されます。
宗教建築の代表は上記のモスクですが、世俗建築の代表としては、宮殿があげられます。  
                              

そして、その中でも最も美しいと称されるのが、アンダルシア・グラナダにある『アルハンブラ宮殿』です。

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城塞として、宮殿の他、モスク、官庁、学校、浴場、庭園など様々な施設を備えていました。

宮殿は、伝統的なイスラムの邸宅の様に、2つの中庭を中心に構成されています。
一つは公式行事等のための公的謁見に、もう一つは王族や家臣との私的謁見に対応するように、中庭を核とした空間が割り当てられていました。
                              

前者の中庭空間は、'ミルトルのパティオ'と呼ばれています。
 A004.JPG

                              

後者は、有名な'獅子のパティオ'です。

A005.JPG


中央にある12頭の獅子に支えられた水盤から、十字に設けられた水路を通って、四方を囲む部屋内に水が涼しげに流れています。
イスラムの支配する地域は砂漠地帯が多く、その中で水を巧みに演出することは、大変贅沢なことでした。この宮殿に於いても、水が巧みに取り入れられています。
                              
イスラム建築の美しさは、装飾にあります。
                              

イスラム教では偶像崇拝を禁じています。人間や動物を描くことも非難の対象となりました。
西欧諸国では室内に絵等を飾るところ、イスラム諸国ではその代わりに人間や動物を用いない装飾が発達してきたのです。
代表的なモチーフは、

  1. アラベスクと呼ばれる'植物文様
  2. 数学の発達に付随した'幾何学模様
  3. コーランを記述する神聖なアラビア語を図案化した'文字文様
                             アルハンブラ宮殿も、素晴らしい装飾でいっぱいです。 A006.JPG
アラベスク文様 (漆喰壁のレリーフ)
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幾何学模様 (タイルの壁)
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文字文様と幾何学文様の組み合わせ (漆喰壁のレリーフ)
                                                             

このような文様を組み合わせ、繊細で美しい建物が作り上げられています。

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床から天井まで覆い尽くす装飾

                              

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A011.JPG

イスラム建築の特徴の'アーチ':様々な形がある。


                              

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幾何学を無数に組み合わせて作り上げる
'ムカルナス(鍾乳洞)'と呼ばれる天井ドーム
                                                         どこをとってもエキゾチックで、息を呑むほど美しい建物です。                                                                                      日本人の私たちにとってあまり馴染みがなく、異文化の極致ともいえるイスラム文化ですが、建築、照明器具、カーペット、装飾品、雑貨...等々、魅力的なものがいっぱいです。 もっともっと、知っていきたい文化です。                                                                                               
ジャパンテーブルアーチストアカデミー卒 認定講師
テーブルアーチスト
食環境トータルプロデューサー
鈴木久美子

パン de ハッピー!~パンが香る幸せなテーブル~

2012.10.08

連載 パン

気持ちの良い、過ごしやすい季節になりました。
旅行に出かけたり、スポーツをしたり、お洒落を楽しんだり・・・
何をやるにも最適な気候ですね。


この季節はおいしいものもいっぱい!ぶどう、りんご、梨、柿と
いった果物、すだちをキュッっと絞った焼き立てサンマ。それに
何と言っても、新米のホカホカご飯は最高のごちそうです。


さて、今回の「パン de ハッピー!」では、新米の炊きたて
ご飯に負けない、おいしいパンをご紹介!
茹でたじゃがいもをつぶして混ぜ込んだドイツ風のライ麦パン
です。


ドイツではその寒冷な気候から良質の小麦が取れないため、ライ
麦を栽培してパンを作るようになりました。ライ麦粉で作ったパ
ンは、とても硬くてずっしりと重く、噛みごたえがあります。白
いパンに比べて栄養価が高く、滋味あふれる素朴なおいしさです。
まるでドイツ人の真面目で質実剛健な気質を表しているかのよう
です。また、発酵の方法から、酸味を感じるものもあります。


今回のレシピでは、ライ麦とじゃがいもの特性を生かして、日本
人好みの外側はカリッ、中はモチモチのパンを作りましょう!
ちなみに塩の代わりに「塩麹」も使います。
これから寒くなる季節においしい、煮込み料理やコクのあるスー
プと合わせて、またはソーセージやチーズと一緒に朝食に、ぜひ
おススメしたい一品です。


ドイツ風田舎パン

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<材料>

強力粉      180g
ライ麦粉      20g
じゃがいも     20g(ゆでてつぶす)
ドライイースト  小さじ1
砂糖       大さじ1
水        130g
塩麹       小さじ1強(塩なら小さじ2/3)
無塩バター     10g


<作り方>

①じゃがいもは皮をむき、やわらかくゆでてフォークの背などで
つぶし、20g用意する。

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★じゃがいもの量は増やしても30gまで。それ以上になると生地
がべたついてこねにくくなります。


②ボウルに粉1/2、ライ麦粉、①のマッシュしたじゃがいも、
砂糖、イーストを入れ、水を加えて木べらで混ぜる。

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③残りの粉、塩麹、バターを入れてさらに混ぜ、台の上に取り出
してなめらかになるまでこねる。手にベタベタとくっつきやすい
生地なので、台の上に生地を(軽く)叩きつける動作を、いつも
より多めに繰り返す。(ここでは打ち粉はしない)

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P1000549.JPG 生地を台の上に軽く叩きつけ、そのまま手前から向こうへ返す。
手を離し、改めて横から生地を持ち、同じように台に叩きつける。
これを数回繰り返す。だんだん生地が手から離れるようになる。


④ 丸めてボウルに戻し、ラップをして温かい所で一次発酵させ
る。(10分)


⑤フィンガーテストをした後、手に打ち粉(強力粉)を付けて軽
く叩いて空気を抜く。打ち粉を振った台の上に取り出して丸めな
おす。キャンバス地、ぬれ布巾をかけてベンチタイム。(約10分)

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⑥生地を軽く叩いて空気を抜く。丸めなおして表面にライ麦粉を
振り、天板にのせる。キャンバス地、ぬれ布巾をかけて温かいと
ころで2次発酵させる。(20分)  オーブンを予熱する。

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⑦クープを入れて焼成。 電気オーブン 190℃で25~30分
            ガスオーブン 180℃で20~25分

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★クープをいれるのはクープナイフ(上段)、もしくは薬局などで
販売している昔ながらのカミソリで。(中・下段)
生地に押し付けるのではなく、力を入れずスーッと切り込みを入
れるのがコツ。

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ライ麦粉はその挽き方によって、細挽き、中挽き、粗挽きとあり
ますが、ここでは、ほぼ細挽きにあたる「石臼挽き粉」を使用し
ました。ライ麦のおいしさを最大限に感じることができる粉です。
お好みに合わせて粉を選んでいただいたらよいと思いますが、家
庭で手作りするなら、細挽き、石臼挽き、中挽き粉をおススメし
ます。

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パンが焼きあがったら2~3cm厚さにスライスして、軽くトース
トして召し上がれ!"カリッ&モチモチ"のおいしさをより深く
感じる事ができます。
具だくさんのミネストローネ、クリームシチュー、ポトフ、ボル
シチなどと一緒に秋のディナーをお楽しみください。


ジャパンテーブルアーチストアカデミー卒 認定講師
テーブルアーチスト
フードコーディネーター
中出 真理子

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